2017年7月11日
流行性角結膜炎は、「アデノウイルス」というウイルスによって引き起こされる感染症です。めやにや涙の接触感染で容易に感染し、とくに人が接触する機会の多い、職場や学校、病院などで、流行的発症が見られます。感染すると1週間~10日ほどの潜伏期間を経て症状が現れ、片目だけに発症した4、5日後に、もう片方の目にも同じ症状が現れます。
主な症状としては、結膜が充血し、めやにや涙が大量に出て、寝た後に目が開かなくなる場合があります。アレルギー性結膜炎とは違い、かゆみはほとんどありません。症状が強い場合、まぶたの裏の結膜に白い偽膜ができ、眼球の癒着を起こしたり、角膜びらんが起こり目がゴロゴロしたり、ひどい眼痛をともなう場合があります。重症化すると発病から1~2週間で黒目に小さな濁りが出ることもあります。結膜炎の症状は時間が経つほどに軽くなり、2~3週間ほどで治りますが、角膜の濁りは、数か月から1年にも及ぶことがあります。
流行性角結膜炎の原因となる「アデノウイルス」は、咽頭結膜熱(プール熱)とともにウイルス性結膜炎の代表的な疾患です。一般的な結膜炎と似ていますが症状が重いことが多く、また感染力が強くドアノブや電車のつり革、タオルなどの物品を介した接触で知らず知らずのうちに感染します。
≪主な症状≫
アデノウイルスに有効な特効薬はなく、炎症を抑え細菌感染を起こさないようにするために点眼薬を使用しますが、治癒には1~3週間くらいかかります。
アデノウイルスは、感染力が非常に強いウイルスです。他人にうつさない、他人からうつらないようにするために、以下のように注意しましょう。
学校保健安全法により、感染力がなくなったと医師が判断するまでは学校へ出席できない疾患に指定されています。大人の場合も、感染を広げないために出勤を控えるようにしましょう。普通の結膜炎と症状が似ているため、自己判断で市販の点眼薬を使用し過ごしてしまうこともあります。
他人に感染させないよう眼科を受診し、正しい診断、治療を受けましょう。