2024年3月8日
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物が誤って気管に入った際に、細菌も一緒に肺に入り込んで生じる肺炎です。嚥下機能が低下していたり、脳梗塞後遺症などの持病を持っていたりすると、発症の確率が高まります。高齢者の場合、命に関わることもあるため、発症の疑いがあればすぐに医療機関を受診しましょう。
食事中に咳込んだり、痰がからんだりしているときには、本来食道に入るべき飲食物などの物質が気管に入り込む、「誤嚥」を起こしている可能性があります。誤嚥に伴って細菌が肺に入って発症する肺炎を、誤嚥性肺炎といいます。加齢によって飲み込む力が低下し、食べ物がのどに残りやすくなったり、うまく咳き込めなったりすることで起こります。
そのほか、脳梗塞後遺症やパーキンソン病などの神経疾患を抱えていると、発症しやすいといわれています。
口の中の細菌が要因となることが多いです。口の中が清潔に保たれていないと、肺炎となる要因の細菌も増殖しやすくなります。
一般的な肺炎と同様に、発熱やせき、粘り気のある濃い色の痰がみられます。ただし高齢者では、症状が現れにくいこともあります。なんとなく元気がない、食欲がない、ぼんやりとしているなどの様子がみられたら、発症を疑いましょう。
抗生物質を投与します。体や呼吸の状態が良くない場合は、入院することもあります。
誤嚥性肺炎は再発するリスクが高い病気です。何度も再発する場合は咳反射を改善させる薬を使うこともあります。また、日ごろから歯磨きをはじめとした口腔ケアで口の中を清潔に保ち、予防や再発防止に努めましょう。少しずつゆっくり食べる、姿勢を正すなど、食事の仕方を工夫することも大切です。