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今月の健康コラム

歩行や排せつに障害が出ることも「後縦靭帯骨化症」

2025年5月9日

背骨に沿って走る靭帯が骨のように固くなり、神経(=脊髄)を圧迫することで、体に痛みやしびれが生じる病気です。首、胸、腰など、発症する場所によって、異なる症状があらわれ、進行すれば歩行や排せつに障害が出ることもあります。症状が疑われる場合は、放置せずかかりつけ医に相談しましょう。

後縦靭帯骨化症とは

 背骨にはトンネル状の脊髄の通り道があり、これを脊柱管といいます。後縦靭帯は、背骨や脊柱管に沿うように走っている靭帯で、何らかの原因によって骨のように固くなり、厚くなることがあります。後縦靭帯骨化症は、骨化した後縦靭帯が脊柱管を通る脊髄を圧迫することで発症します。

 首、胸、腰のなかでも、首の後縦靭帯に現れやすいといわれています。50歳前後で発症することが多いほか、男性は女性の2倍の発症率があることがわかっています。

 性ホルモンの異常、糖尿病などさまざまな要素が関わっていると考えられていますが、発症の原因ははっきりとはわかっていません。ただし患者の兄弟は30%の確率で発症していることから、遺伝の関連性は高いと考えられています。

後縦靭帯骨化症の症状

 発症する部位によって、異なる症状がみられます。

 首に発症した場合はまず首筋や肩甲骨、指先に、胸や腰に発症した場合には足に、痛みやしびれ、脱力感などの症状があらわれます。足を動かしにくくなるなどの運動障害がみられることもあります。

 さらに進行すると排尿や排便、呼吸にも障害があらわれ、生活が困難になる可能性があります。

 症状の程度や進行度合いには個人差がありますが、転倒などをきっかけに一気に進行することもあるため、注意が必要です。

後縦靭帯骨化症の治療法

 骨化した後縦靭帯は元に戻すことができません。まずは薬物や首などの部位を固定する装具を使って、症状を和らげたり神経を保護したりします。薬物にはさまざまな種類があるため、医師に相談して治療を行いましょう。

 これらの方法で改善が見られなかったり、症状が重度の場合は手術を検討します。骨化した部分を摘出する方法と、脊柱管の幅を広げる方法の2種類あります。ただし数年~10年程度で、再発する可能性もあります。手術後も定期的に検査を受けることが大切です。

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