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熱中症に注意しましょう

2011年7月19日

気温の上昇に伴い、熱中症による救急搬送が増えています。加えて今年の夏は、電力供給不足に備えた過度の節電により、熱中症にかかるリスクが高まる可能性があるといわれています。熱中症に対する正しい知識を身につけ、これからくる本格的な夏を乗り切りましょう。

熱中症とは

熱中症とは、外気の高温多湿などが原因となって起こる症状の総称です。暑熱環境下にさらされることや、激しい運動などによって体内に著しい熱が生産されることにより、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調整機能が破たんするなどして発症します。
熱中症の症状は、軽度・中度・重度の3つに分けられます。

軽度の症状 ・立ちくらみ
・軽いめまい
・手足や腹筋などの痙攣(こむら返り)
・多量の発汗 など
中度の症状 ・頭痛
・吐き気または嘔吐
・体がだるいなどの強い倦怠感や疲労感
・下痢 などいくつかの症状が重なって起こります。
重度の症状 ・意識障害
・呼びかけに対する反応が明瞭でない
・ふらふらして立つことや歩くことができない
・38度以上の高体温
・ひきつけ など

このような症状は段階を経て現れるとは限らず、突然重度の症状が起こる場合もあるため注意が必要です。最悪の場合、死にいたる危険性のある病態ですが、適切な予防方法や応急処置を知っていれば防ぐことができます。

こんな日・こんな人は熱中症に注意

気温が高い日はもちろん、気温はそれほど高くなくても、湿度が高い場合は熱中症にかかりやすくなります。前日と比べて急に気温が上がった日や、風が弱い日も注意が必要です。
また、熱中症は気温や湿度などの環境条件だけでなく、体調や暑さに対する対応力などが影響して起こります。そのため、体調の悪い人や暑さに慣れていない人、持病のある人、肥満の人などは特に注意が必要です。
また、高齢者は温度に対する感覚が弱くなっているため、室内でも熱中症になる場合があります。
幼児も体温調整機能が十分に発達していないため、熱中症にかかる危険性が高いです。晴れた日は地面に近いほど気温が高くなるため、幼児は大人以上に暑い環境に置かれているといえます。

熱中症の予防方法

熱中症を防ぐためには、日常生活における注意が基本となります。
涼しい服装をし、日傘や帽子、日陰などを利用して暑さを避けるようにしましょう。高齢者の場合は、一定の室温を超えたらエアコンを使用するなど、無理をしすぎないよう、本人をはじめ、周囲の人々が気を配ることも大切です。
また、のどの渇きを感じていなくても、こまめに水分補給をしましょう。ただし、アルコールやコーヒーなど、カフェインを含む飲み物は避けてください。水やスポーツドリンクで水分をとりましょう。
スポーツを行う場合は、こまめな休憩が必要です。十分な食事や睡眠をとるなど、普段から体調管理には気をつけるようにしましょう。

熱中症にかかった場合の応急処置

涼しい場所で体を冷やすことと、水分の補給が必要です。
まずは風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内などに避難させましょう。衣服を脱がせ、皮膚に水をかけたり、血管が浅いところにある首や脇の下に保冷剤や氷を入れた袋などを当てることでより体を冷やします。
自力で水分を補給できる場合は、スポーツドリンクなどを与えましょう。意識障害があり、自力で水分を補給できない場合は、早急に医療機関へ搬送することが最優先の対処方法です。また、意識がある場合でも、症状の回復が見られなければ医療機関へ搬送しましょう。

熱中症は、本人が自覚症状で気づくことはほとんどありません。そのため、少しでも異変を感じたら熱中症の兆候を疑い、本人も周囲の人々も注意をすることが必要です。

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