2012年1月30日
子どもは、病原体に対する免疫力が十分ついていないため、かぜを繰り返しひく傾向があります。特に保育園や幼稚園では、免疫力の弱い子どもたちの集団ですから、“次から次にかぜをひく”状況になってしまいます。
かぜの原因となるウイルスはライノウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、ボカウイルス、アデノウイルスなど多くあり、ひき始めるとせきや痰、鼻水の症状があらわれます。小さな子どもは自分で鼻水をかめず、痰をだすことが難しいため治りが遅くなり、治りきらないうちに次のかぜをひいてしまい、“ずっとせきが出ている”状態になってしまうことが多くみられます。また、繰り返すかぜから合併して副鼻腔炎という病気を発症したり、かぜ以外からも引き起こるせきのでる病気があります。
百日ぜき | 子どもの発症が多い病気の一つで、長期にわたりせきが続きます。特に乳幼児が百日ぜきにかかると、無呼吸発作や脳症などをおこすこともあり注意が必要です。3種混合ワクチンで予防できますが、最近、年長児や成人の間での流行が目立ってきています。接種後年数が経過し、免疫が下がってきてしまうことで感染が拡がりやすくなっているようです。 |
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結核 | 子どもの結核は大人の場合と異なり、病気の進行が早いことが特徴です。症状には発熱、呼吸困難、せき、倦怠感などがあります。結核患者との接触歴があったり同居している高齢者などが長引くせきをしていないかが、結核を疑うきっかけとなります。 |
せき喘息 | ゼイゼイするだけが喘息ではありません。アレルギーが原因で気管支が収縮や炎症をおこし、ひどくせき込むような状態になります。抗生剤や普通の咳止めの効果がみられず、気管支拡張薬やステロイドの吸入薬、抗アレルギー薬などでせきが改善します。 |
副鼻腔炎 | 鼻水が副鼻腔より咽頭から気管に流れこみその刺激によってせきがおきます。鼻づまりや、緑色・黄色の鼻水が出る、横になるとせきがひどくなる、などの症状があります。 |
せきは夜中に症状が悪化したときなど、すぐに医療機関で診察を受けられないこともあります。つらいせきのために夜眠ることができなかったり、嘔吐するようなひどい症状になるケースもありますので、適切に応急処置して、翌日忘れずに医療機関を受診するようにしてください。
子どもの発熱には敏感なご家族の方も、せきだけの場合、比較的ゆっくり対応している傾向があります。せきが出ているときは、できるだけ子どもの様子に注意するようにしてください。また、医療機関を受診する前にどのようなせきが出ているか把握して、子どもの症状を的確に医師に伝えると診療がスムーズになります。