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今月の健康コラム

脳卒中は油断大敵

2012年1月30日

日本人の死因の上位を占めてきた脳卒中。元気な働きざかりの人でも突然倒れてしまうので、本人にも家族にも怖い病気です。正しい知識をもち、日ごろから対策をとりましょう。

身近にしのび寄る、脳卒中

ふだん「脳卒中」の話題を聞いても、それほど身近に感じられないという人も少なくないのではないでしょうか。しかし脳卒中は、日本人の死亡原因として、悪性新生物(がんや白血病など)、心筋梗塞に次ぐ3番目に多い原因となっている病気で、決して人ごとではありません。
脳卒中とは、脳内の血管が破れる「脳出血」、脳を覆う軟膜とその上のくも膜の間で出血する「くも膜下出血」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」の総称です。
あまり知られていませんが、入院医療費の中で最も多い割合を占めているのが脳卒中です。脳卒中は、寝たきりになる原因としても最も多く、発症した場合、4人に1人が亡くなってしまい、3人に1人は元通りの生活を送ることが難しくなってしまいます。
脳卒中の罹患率は4割ともいわれます。なかでも脳梗塞は、自覚症状のない「無症候性脳梗塞」を知らないうちに発症していることが多く、病院に救急車で運ばれるような人の脳梗塞は、ほとんどがその時点で「再発」であるともいわれています。

脳卒中のおそろしさ

脳は、脳血管と神経が塊となっており、全身への指令を司る器官といえます。脳梗塞になった場合、脳のどの部分(どの神経)が機能を失ったかによって、さまざまな症状が起こります。運良くほとんど症状が出なくて済む人もいれば、寝たきりになったり、死亡する可能性もあります。
一家の大黒柱が倒れてしまうと、収入を失う上に、多額の医療費がかかります。突然の発症により、家庭が壊れてしまったり、若い家族の将来さえも奪ってしまうというケースを耳にします。自分はまだ大丈夫だ、と思っている壮年期の人も、実はリスクファクターの蓄積があって、危ういところを渡っているかもしれません。

脳卒中への対策は

では、脳卒中で倒れてしまわないために、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
まず、かかりつけ医を持ちましょう。何でも相談できるホームドクターと一緒に、まず高血圧や高脂血症、糖尿病といった生活習慣病の予防をすることが、脳卒中を防ぐ第一歩となります。千葉市医師会には1,000名以上のかかりつけ医の登録がありますので、必ず、あなたと合う先生が見つかります。
万が一、突然のめまい、しびれ、マヒ、視覚障害、言語障害、激しい頭痛などを感じたときは、時間をおかずに脳神経外科または神経内科を受診することが大切です。かかりつけ医も紹介状を用意して、脳神経外科または神経内科受診を促してくれるでしょう。
「突然の言語障害、上肢のマヒ、顔面のマヒ」のいずれかがあるだけで、70%以上の確率で脳卒中を発症しているともいわれています。脳卒中は本人にも、家族にも多大な影響をもたらします。普段からかかりつけ医によく相談して、気になる症状があらわれたときは、迷わず脳神経外科または神経内科を受診するようにしましょう。

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