2012年11月2日
インフルエンザはのどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳などの症状のほか、全身症状(38℃以上の発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛や全身倦怠感など)がみられることがあります。
インフルエンザはウイルスによる流行性疾患であり、短期間に広がります。日本などの温帯地域では、とくに毎年冬に多く流行がみられ、季節性インフルエンザと呼ばれています。また、新しいタイプのウイルスによる新型インフルエンザが、季節はずれに流行することもあり、それぞれのウイルスにあった対処が必要となります。
季節性インフルエンザ | 日本では、冬場に低い気温となることが多く、湿度も下がります。こうした環境が、インフルエンザウイルスの活発な活動に適しているため、冬場に多く発生します。原因となるウイルスは、A型、B型などに分類されます。 |
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新型インフルエンザ | 大正時代に世界的に流行したスペインインフルエンザをはじめ、香港インフルエンザ、ソ連インフルエンザなど、時代とともに新しいタイプのウイルスの流行がみられます。流行の当初は未知のウイルスであり、ほとんどの人が免疫を持っていません。いずれもA型の亜型です。 |
鳥インフルエンザ・ 豚インフルエンザ |
新型インフルエンザの一種で、もともとは鳥の間で流行していたものですが、ヒトへの感染が確認されるようになったものです。このほか同様に、豚インフルエンザもヒトへの感染が確認されています。 |
季節性インフルエンザの場合も、その他のインフルエンザの場合も、予防法は共通しています。まずは流行する前にワクチンを接種すること。これにより、感染、発症してからの重症化が予防できます。
インフルエンザは、感染している人のくしゃみや咳、つばなどの飛沫(ひまつ)と一緒に放出されたウイルスを、のどや鼻から吸い込むことによって感染します。日常生活での注意点として、外出後には手を洗うことで、付着したウイルスを洗い流すことや、流行している時期には人混みや繁華街への外出を控え、マスクを着用するなども大切な予防法です。ほかにも、適度な湿度を保持してウイルスの活発な活動を抑えることや、抵抗力を高めるために十分な栄養摂取や休養も効果的です。
インフルエンザの症状がでたら、まずは医療機関で診察を受けましょう。インフルエンザは通常の風邪とは異なり、重症化すると高齢者や免疫力の低下した人では肺炎を発症したり、子どもの場合は急性脳症を発症することもありますので医師の指示に従ってください。
近年では薬の効かない薬剤耐性インフルエンザなどの存在も指摘されていますが、こうした最新の医療情報を得るためにも、医師の診断、治療を受けることがなによりも必要です。