2013年3月6日
子どもは、生まれたときは母親から病気に対する免疫(抵抗力)を受け継いでいます。しかし、それは生後数か月経つと自然に失われていくため、その後は子ども自身が免疫を獲得していきます。この手助けとなるのが予防接種です。
予防接種は、病気のもととなるウイルスや細菌などの病原体を、毒性を弱くしたり、一部だけを取り出すなどして、体に安全な状態にしたワクチンを接種することにより、体内にその病原体に対する免疫をつけることを目的としています。免疫をつけることにより、病気を予防したり、かかったとしても軽症で済ますことができます。
しかし、小さい子どもには予防接種の重要性はわかりません。保護者が予防接種に対する正しい知識を持ち、疑問や不安があればかかりつけ医などと相談して、予防接種を受けるようにしましょう。
定期接種 | 任意接種 |
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・ジフテリア ・百日咳 ・破傷風 ・ポリオ ・麻しん(はしか) ・風しん ・日本脳炎 ・結核(BCG) |
・ヒブ * ・子宮頸がん * ・小児用肺炎球菌 * ・インフルエンザ ・おたふくかぜ ・水痘(水疱瘡) ・ロタウイルス ・A型肝炎 ・B型肝炎 |
日本の予防接種は定期接種と任意接種に分かれています。定期接種は予防接種法により各市町村などの行政機関が実施しているものです。接種年齢や回数、期間などが定められており、期間内に公費助成で受けることができます。任意接種は接種者の希望で受けるもので、子どもの場合は保護者がかかりつけ医などと相談して決めることになります。費用は自己負担となります。子どもの受ける予防接種のうち、主な定期接種と任意接種は右記の表の通りです。
・予防接種スケジュール
小さい子どもの場合、受けなければならない予防接種の数が多く、さらに予防接種ごとに接種年齢や回数が異なります。かかりつけ医などと相談しながら、予防接種スケジュールを事前に立てておくようにしましょう。
国立感染症研究所のホームページでは、予防接種スケジュールの例が掲載されていますので、そちらも参考にしてみてください。
(参考) 国立感染症研究所 予防接種スケジュール
・接種前の注意事項
予防接種は子どもの体調が良いときに行いましょう。37.5度以上の熱があるときは風邪などの病気にかかっている可能性があるため、接種は控えたほうがよいでしょう。熱が37.5度以下の場合でも、子どもの症状によっては無理をさせないほうがよいので、医師と相談して決めるようにしましょう。
・接種後の注意事項
接種後30分~1時間ほどは副反応(※)が現れていないか、子どもの様子に気を配っておくと同時に、すぐに接種した医師または医療機関と連絡がつくようにしておきましょう。その後の食事や入浴などは普段通りで構いませんが、激しい運動は避けましょう。注射した場合はその箇所をこすらないように注意しましょう。
(※) 予防接種後、熱が出たり、接種した箇所が赤くなったり腫れたりするなど、予防接種を受けたことにより体に現れる症状のことをいいます。大抵は数日で回復しますが、まれに重症化することもあります。その場合にはすぐに接種した医療機関を受診しましょう。
毎年3月初旬、社団法人日本医師会、一般社団法人日本小児科医会、厚生労働省の主催で「子どもの予防接種週間」が実施されています。
この期間は協力医療機関や各地域の予防接種センターなどで、通常の診療時間外、土・日曜日、平日夜間なども予防接種を行うとともに、予防接種に関する相談も受け付けています。
今年は2013年3月1日(金)~7日(木)までです。期間を過ぎてしまった後でも、4月の入学・入園に備え、必要な予防接種を受けるようにしましょう。