2013年5月1日
喫煙が健康にもたらす悪影響についてはさまざまな研究結果があります。喫煙者の場合、がん、心臓病、脳卒中など特定の重要疾病の罹患率や死亡率が高いことが多く報告されているほか、妊娠中の喫煙は流産、早産などのリスクを高めるとの指摘もあります。
また、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙により、喫煙者本人だけでなく周囲の非喫煙者の健康にも悪影響を及ぼします。
多くの悪影響を考えると、すっぱりと縁を切っておきたい喫煙習慣。しかし、禁煙に挑戦したものの途中で挫折した……という経験をお持ちの方も多いはず。喫煙は単なる嗜好や習慣ではなく、その本質はニコチン依存症そのものです。禁煙にあたっての心構えとしては、まず自分がニコチン依存症という「繰り返し治療の必要な慢性の病気」にかかっている、との自覚を持つことが大切です。
喫煙をはじめ、飲酒や食生活といった行動の改善は一朝一夕にできるものではなく、ある程度の年月をかけて完成すると考えられます。喫煙習慣の場合、1回の禁煙の試みで成功することはまれで、禁煙に成功している人の多くが、禁煙を真剣に考えてから平均3~4回の禁煙の試みを7年~10年の期間を経たうえで成功していることが報告されています。
自分ひとりで「がまん大会型」の禁煙をすることも可能ですが、ニコチン依存が強い場合などは、禁煙治療に保険が使える禁煙外来など、医療機関によるサポートを利用しましょう。