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今月の健康コラム

冬場に注意したい「ヒートショック」

2015年1月5日

ヒートショックは冬場の入浴時に起こりやすい健康被害。命に関わることもあるため、特に高齢者や高血圧・心臓病などの疾患のある方は注意が必要です。

ヒートショックとは

ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧が変動することで起こる健康被害のことをいいます。失神や不整脈、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことがあります。
特に冬場の入浴には注意が必要です。温かい自室や居間から、暖房が入っていない風呂場へ移動し、衣服を脱ぐことで体温が急激に下がります。急激な体温の下降は血圧を急上昇させます。これが心筋梗塞や脳卒中を起こす原因の一つとなります。
さらに、この後温かい湯船に浸かることで、体温が急上昇し、血圧が急低下して、失神してしまう場合もあります。湯船の中で失神すると、溺死する可能性もあるため気を付けましょう。

ヒートショックの危険性が高い方

ヒートショックの危険性が高いのは、高齢者、高血圧の方、生活習慣病の方、心臓病の方などです。

高齢者の方 若い方と比較して血管が硬いため、血圧の変動に伴うリスクが大きく、皮膚感覚が鈍くなっているため温度差を自覚しづらい傾向にあります。
高血圧の方 血圧が変動しやすく低血圧症となりやすいため、意識を失う可能性があります。
生活習慣病の方 糖尿病や脂質異常症などにより動脈硬化が進んでいる可能性があるため、血圧の変化には注意が必要です。
心臓病の方 血圧の急激な変動が心臓に負担をかけるため、心筋梗塞や脳卒中に繋がる危険性があります。

ヒートショックの予防・対策

  • 脱衣所や浴室などに暖房を設置
    脱衣所や浴室に暖房を設置し、入浴前に室内を温めておくことで、急激な温度変化を防ぎます。
    ※浴室で暖房器具を使用する場合は、浴室専用のものを使用する必要があります。
  • お湯をはるときはシャワーを使用
    高い位置に設置したシャワーで浴槽にお湯を溜めると蒸気が発生し、浴室全体が温められます。すでにお湯がはってある場合は、入浴前にふたを開け、浴室内を温めてから入りましょう。
  • 気温が下がらないうちに入浴する
    日没前に入浴すると、いくらか温かいため、急激な温度変化を防ぐことができます。逆に、深夜は気温が低いためできるだけ避けましょう。
  • 湯の温度を下げる
    熱すぎる湯に浸かると血圧変動が大きくなるため、湯の温度をぬるめ(40度未満)に設定しておきましょう。また、あまり長時間入浴しないよう心がけましょう。
    ヒートショックの危険性が高い方は、半身浴がおすすめです。
  • 食後や飲酒後の入浴は控える
    食後1時間以内と飲酒時は血圧が下がりやすいため、入浴は控えましょう。
  • 入浴時には声掛けを
    高齢者や高血圧・心臓病・生活習慣病の方が入浴しているときは、家族がときどき声を掛けて、状況を確認しましょう。
  • 入浴前後に水分補給を
    体内の水分が失われると、血液が濃縮され、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなりますので、入浴前後は充分な水分を補給しましょう。
  • トイレなども注意
    ヒートショックは急激な体温変化が原因で起こるため、入浴時以外にも、トイレが寒い場合などにも起こることがあります。注意しましょう。

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