2015年6月1日
アスペルガー症候群は、発達障害という、先天性脳機能障害の一つです。オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーが最初に症例を報告したことから、その名が付けられました。
広い意味では発達障害のうちの一つである自閉症に含まれ、コミュニケーション障害、対人関係・社会性の障害、パターン化した活動、限定的な興味・感心などの特徴が見られます。
自閉症と異なるのは、幼少期に言語発達の遅れが見られないこと、一見して障害があるように見えないことです。このため発見が遅れやすい傾向にあります。成長に伴い、アスペルガー症候群の特徴がはっきりとあらわれてきますが、気付かずに適切な対応を取らずにいると、ストレスからうつ病や強迫性障害などにかかることもあります。
アスペルガー症候群の原因ははっきりとはわかっていません。心の問題や親の育て方などは関係ありません。
アスペルガー症候群の特徴が見られた場合は、できるだけ早く専門家に相談しましょう。子どものうちであれば、児童精神科、小児精神科、保健所、児童相談所、療育センター、教育相談所、地域の自閉症の会なども視野に入れ、信頼できる専門家などに相談しましょう。
現代の医学ではアスペルガー症候群を根本的に治療することはまだできませんが、早い時期からその特徴を理解し、専門家に相談しながら家庭や地域で成長に合わせた療育・教育的な支援を行うことで、その後の社会生活を送りやすくすることができます。