2016年1月20日
1. 1 型糖尿病 | 血液中のブドウ糖の濃度をコントロールしているインスリン。これを生成しているすい臓のβ細胞が破壊され、機能不全に陥ることで発症するものが1型糖尿病です。体外からのインスリン補充が必要となり、子どもや若年層が発症する糖尿病の中では、最も多い割合を占めています。 |
---|---|
2. 2 型糖尿病 | 日本人が発症する糖尿病の約95%を占めています。運動不足・肥満・ストレスなどの生活習慣や加齢が大きく関係しているとされます。また近年では、ライフスタイルの欧米化などの影響もあり、中高年に限らず若年層にも広がっています。 初期は、自覚症状がほとんどありません。そのまま血糖値を高いまま放置すると、徐々に全身の血管や神経が障害され、いろいろな合併症を引き起こします。 2型糖尿病の発症に関係する危険因子は、遺伝や高カロリー、高脂肪食、飲酒、喫煙などにより引き起こされる「インスリンの作用不足」が原因と考えられます。「インスリンの作用不足」を改善し、血糖値を上手にコントロールすることが大切です。そうすることで、病気の進行を防ぎ、合併症を予防することができます。 |
3. 妊娠糖尿病 | 妊娠中に糖代謝異常が初めて起きたことを指します。妊娠中に高血糖の状態が続くと、母体だけでなく胎児にも影響が及び、さまざまな合併症を発症する要因にもなってしまいます。 |
4. その他 | 遺伝子異常、他の疾患、ステロイドの服用にともない発症するものを指します。 |
1. 糖尿病性網膜症 | 初期症状では自覚症状がほとんどありません。進行していくと、視力低下や視野狭窄になり、さらに悪化すると失明する危険もあります。 |
---|---|
2. 糖尿病性腎症 | 腎臓では、血液中の老廃物を体外に排出し、必要なものは体内に蓄積する機能を持っています。病状が悪化するとこの機能が低下して尿毒症となり、人工透析と一生付き合っていかなくてはなりません。 |
3. 糖尿病性神経障害 | 手や足のしびれや痛み、感覚異常が起こります。進行すると感覚が失われ、傷が悪化したことに気づかずに足が壊疽し、最悪切断することもあります。また、足に力が入りにくくなるなど運動神経や血圧・脈拍の乱れ、便秘や下痢を繰り返すといった内臓機能を調節する自律神経にも障害が起こります。 |
1. 動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞 | 血糖値が高いと血管が弱り、機能が低下することにより動脈硬化が進行します。これにより、心臓に栄養を与える血管への血流が途絶えると心筋梗塞になります。また脳の血管の動脈硬化により血流が途絶え脳の機能が失われてしまうと脳梗塞となります。 |
---|---|
2. PAD(末梢動脈疾患) | 足や手の末梢動脈が狭くなったり、詰まったりして血流が悪くなりさまざまな症状を引き起こします。しびれや痛みに始まり、皮膚潰瘍や組織が壊死することもあります。 |
糖尿病にかかった場合、本当に恐ろしいのは「合併症」と言われるくらい注意が必要な病気の1つです。このように、糖尿病を発症するとさまざまな合併症を引き起こしやすくなるので、病気についてのリスクを知り、正しい知識を身に付けることも大切です。
来月はその糖尿病の検査方法・治療法・予防などに詳しく触れていきます。