2022年7月8日
外陰腟カンジダ症は免疫力の低下やホルモンバランスが乱れることで、皮膚や腟内に常在するカンジダ菌が増殖し、かゆみや腫れ、おりものの増加などが起こる病気です。正しい治療を受ければ治癒することがほとんどです。発症が疑われる場合には、医療機関を受診しましょう。
外陰腟カンジダ症は、カンジダ菌の増殖によって、かゆみや白いかたまり状のおりものが現れる病気です。カンジダ菌は皮膚や口の中、消化管などに存在する真菌で、健康な女性の30~50%で、膣内に常在するといわれています。
性行為が発症原因と思われがちですが、抗生物質の服用や疲労などによる免疫力の低下のほか、ホルモンバランスの乱れでも発症します。
女性の約5人に1人が発症し、なかでも妊娠中は発症しやすいとされています。
外陰腟カンジダ症を発症すると外陰部や腟に炎症が起こり、かゆみやひりひりするような灼熱感が生じます。特徴的な症状のひとつが、粥状、酒粕状などと表現される白い特有のおりものです。そのほか、外陰部の腫れや排尿障害、性交痛が起こることもあります。
男性が発症した際には、陰茎の先端にかゆみや赤みが見られることがありますが、症状が出ないことがほとんどです。
治療では、抗真菌薬を使用します。外陰部に炎症が見られる場合は抗真菌薬の軟膏やクリーム、腟に炎症が見られる場合は腟内に錠剤を投与します。2015年には抗真菌薬の内服も保険適応となりました。
外陰腟カンジダ症は、治療を行えば約90%が治癒するといわれています。ただし、再発しやすい病気であるため、日ごろの生活習慣を見直して免疫力を高めたり、外陰部を清潔に保ったりするよう心がけましょう。