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今月の健康コラム

免疫力の低下で発症することもある「口唇ヘルペス」

2025年9月9日

唇の周囲に小さい水ぶくれが集まってできる病気で、多くが乳幼児期や小児期に初めて感染します。一般的には順調に回復する病気ですが、年齢を重ねてから初めて感染すると重症化することもあります。早期の治療で症状を軽減させられる可能性もあるため、発症が疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。

口唇ヘルペスとは

 口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型による感染症で、唇の周囲に小さな水ぶくれができる病気です。単純ヘルペスウイルス1型は乳幼児期に初めて感染することが多く、感染率は成人までに約70から80%に達するともいわれています。また一度感染すると、その部位の神経節に潜伏し続けるのが特徴です。普段は免疫によってウイルスの活動は抑えられていますが、風邪や日焼けや疲れなどで免疫力が低下した際に、繰り返し発症します。発熱のあとに症状が出やすいことから、「熱の華」とも呼ばれています。

 主な感染経路は、症状があらわれている部位に触れたり、タオルや食器といった日用品を共有したりすることによる接触感染です。

口唇ヘルペスの症状

 症状は、段階的に変化します。まず水ぶくれがあらわれる前に、唇まわりにぴりぴりとした違和感やかゆみなどがあらわれます。その後熱感を伴う赤い腫れがみられるようになり、腫れた箇所に複数の小さい水ぶくれが集まってあらわれます。水ぶくれは、唇と皮膚の境目にみられることが多いですが、場合によっては鼻や頬の皮膚、粘膜にみられることもあります。

 乳幼児期や小児期を超えてから初めて感染した場合は、高熱が出る、口の中や舌などにも水ぶくれが出るなど、重症化することが多いです。またアトピー性皮膚炎を発症している方が初めて感染した場合も、高熱や倦怠感などの通常とは異なる症状があらわれる可能性があります。

口唇ヘルペスの治療法

 主な治療は、抗ウイルス薬などを用いた薬物治療です。特に早めに内服治療を開始すると、症状の程度を軽くできます。一般的には重症化の可能性は低く、順調な回復が見込める病気ですが、いち早い回復のためにも症状があらわれたら医療機関を受診しましょう。

 また再発しやすい場合は、予防のために抗ウイルス薬を内服することも選択肢の一つです。かかりつけ医に相談してみましょう。

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