2025年10月21日
てんかんとは、脳の異常によりけいれんや意識の消失といったてんかん発作が起こる病気です。原因や症状によって、いくつかの種類に分類されます。薬を服用することで、発作をコントロールできる可能性が高いです。発症が疑われる場合は、医療機関を受診するようにしましょう。
脳には膨大な数の神経細胞があり、電気信号を通じて感覚や行動が引き起こされています。てんかんとは、信号が乱れることで脳に異常が生じ、意識を失ったりけいれんを起こしたりといった「てんかん発作」が繰り返しあらわれる病気です。
小児に多く見られますが、年齢や性別を問わず発症し、近年では高齢者での発症も増えているといわれています。
頭部外傷や脳出血といった脳の異常が原因の症候性てんかんと、検査をしても異常が見つからない特発性てんかんの大きく2種類に分けられます。
発作のあらわれ方は信号の乱れが生じる部位や、乱れの大きさによって異なります。てんかん発作の種類は、大きく以下の2つに分けられます。
■部分発作
信号の乱れが発症した神経細胞がつかさどる機能に、異常が現れます。意識がある場合には手足にけいれんが起こったり、異常なものが見えたり聞こえたりといった症状があらわれます。意識がなくなることもありますが、ぼーっとする、口をもぐもぐするなど、周囲が発作だと気づきにくいものもあります。
■全般発作
脳全体に電気信号の乱れが生じ、突然意識を失って全身が硬直し、手足がけいれんするといった症状がみられます。またけいれんは起きないものの、意識がなくなり、ぼんやりした目つきになったり動作を停止したりすることもあります。
てんかんの発症が疑われる場合は、発作の症状や経過などを、詳細に医師に伝えることが重要です。発作が起きているときには意識がないこともあるため、家族など症状を伝えられる人物と一緒に受診するとよいでしょう。
治療では、電気信号の異常の乱れを抑える抗てんかん薬を用います。症状にあった薬を服用することで、約6割が発作をコントロールできるといわれています。副作用が出ることもありますが、自己判断で服用をやめることはせず、まずは医師に相談するようにしましょう。
なお薬だけではコントロールが難しい場合には、手術を行うこともあります。
てんかん発作の多くは数分以内におさまり、その後次第に意識が回復します。周囲の人は患者から危険物を遠ざけたりしながら、落ち着いて様子を見守ることが大切です。もし発作が5分以上続くときには、救急車を手配しましょう。