2016年7月11日
ヘルパンギーナは、2~4日の潜伏期の後、39~40度の高熱が出て、上あごの粘膜やのどの奥に水疱性の発疹が伴う急性のウイルス性の感染症です。のどが痛むので、だえきを飲み込むことが困難になり、よだれが多くなったり嘔吐しやすくなったりすることがあります。
5月~7月にかけて流行するいわゆる夏風邪の代表的な疾患で、乳幼児がかかりやすい病気です。6歳未満の子供が感染することが多いですが、看病などで大人も感染することがあります。子供よりも症状が重く出る可能性が高く、まれに無菌性髄膜炎、急性心筋炎などの合併症の危険性があります。
同じく夏に流行しやすく、症状が非常によく似ている病気に手足口病がありますが、手足口病の場合は発疹が口の中から手や足に広がるのに対して、ヘルパンギーナは、手や足には発疹は出ません。また手足口病は、発熱がない場合もあります。
感染経路も手足口病と同じく、飛沫感染、接触感染、糞口感染(糞便から排出されたウイルスにより口を通して感染すること)により拡大します。感染力が強く、症状が治っても数週間はウイルスが排出されるので注意が必要です。
発 熱 | 発 疹 | |
---|---|---|
ヘルパンギーナ | 39~40度の高熱が出る | 口の中に水疱ができる |
手足口病 | 発熱しないことも (発熱しても37~38度) |
口の中に水疱ができる 手や足などに広がる |
ヘルパンギーナは、発症した場合は対症療法を行うことが主な治療とされています。のどの痛みがあり飲食がしづらいため、十分に水分や食事を摂れず、脱水症状になってしまう場合があるので注意が必要です。ゼリーやそうめんなど、のどごしの良い食べ物を食べるとよいでしょう。
また、合併症の恐れもあるので、発症を確認したらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。
予防・対策