2016年8月8日
尿路結石は尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に結石が出来る病気です。結石は、尿の中の不要な成分が結晶化されて出来ます。構成する成分には、シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウム、尿酸、リン酸マグネシウムアンモニウム、カーボネートアパタイト、シスチンなどがあります。このうち、シュウ酸カルシウムが多く見られます。
結石は、小さいものは気付かないうちに尿と共に体外に排出されることもあります。大きくなると尿管などに結石が詰まり、腰や腹部に激痛が起きます。放置しておくと腎臓障害が起きる危険性があります。特に激痛に加え、高熱が出ている場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
そのほか、下記の症状があれば、尿路結石が出来ている可能性があります。
尿路結石では、検尿、超音波検査、レントゲン検査、CT検査などを行います。特にCT検査では、他の検査では診断がつかない小さな結石でも見つかることもあります。
検査の結果、結石の大きさや状況、腎臓への影響や全身状態などによって結石を取り除く治療法を選びます。
結石が直径5mm以下と小さく、症状が安定しているうちは、水分を多めに摂取するなどし、自然に排出されるのを待ちます。
結石が大きく自然排出が難しい場合、症状が悪化している場合、他の病気を併発している場合などは、状況によって下記のような治療を行います。
ESWL (体外衝撃波結石破砕術) |
体外で発生させた衝撃波で体内の結石を破砕します。砕かれて小さくなった結石は自然に排出されるのを待ちます。 |
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TUL (経尿道的結石破砕術) |
尿道から尿管鏡(内視鏡の一種)を入れ、結石を破砕・摘出します。 |
PNL (経皮的結石破砕術) |
腎臓から内視鏡を入れ、結石を破砕・摘出します。直径2cm以上の大きな結石が対象です。 |
尿路結石は、一度結石を除去しても再度結石が出来る可能性が高い病気です。これは、結石が出来る原因に、生活習慣や体質、遺伝などが関わっているためです。再発予防のひとつに、結石の成分を調べ、その成分が排出される原因を知り、それに合わせた治療・予防を、医師の指導のもと行うことです。例えば、結石の成分にカルシウムが含まれているからといって、自己判断でカルシウムを摂取しないなどすると、逆効果の場合もあります。必ず医師の指示に従いましょう。
気になることがあったら、自分で判断せずに必ずかかりつけ医に相談するようにしましょう。