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今月の健康コラム

重症化に注意!「扁桃(扁桃腺)」の腫れ

2016年12月13日
改訂:2024年9月13日

発熱し、扁桃が腫れ、のどが痛むのは風邪の一種ですが、いっこうに良くならない場合、実は扁桃の病気かもしれません。扁桃の腫れを放置しておくと命に関わる重大な病気になる恐れがあります。

扁桃が腫れる原因

扁桃とは、舌の付け根の両側にあるこぶのようなリンパ組織です。一般的には「扁桃腺」といわれることが多いですが、正しくは「扁桃」といいます。ウイルスや細菌などの病原菌から体を守る免疫の役割を果たしています。空気中の病原菌は、鼻やのど、扁桃に付着することがほとんどで、扁桃に付着した病原菌が増殖すると炎症を起こします。これが扁桃が腫れる原因で、多くの場合は発熱を伴います。病原菌を増殖させる原因は、風邪や疲労、ストレスによる免疫力低下、のどの乾燥や急激な気温の変化などさまざまです。特に、子どもの発熱はウイルス感染によるものが多く、高熱になることもしばしば。しかし、免疫反応によるものが多いため、ほとんど問題はありません。発熱よりも咳や扁桃の腫れなどの症状にはより注意が必要です。

主な扁桃による病気

  • 咽頭炎
    のどの粘膜に風邪のウイルスや細菌が付着することによって感染し、炎症が起きた状態のこと。のどが痛み、痰が絡むようになります。扁桃は腫れていても、痛みや熱がない場合もあります。咽頭炎の炎症がひどくなると、のどが化膿して扁桃に白い斑点が付着し、扁桃炎を引き起こす場合があるので十分注意が必要です。
  • 急性扁桃炎
    風邪の症状が続き、風邪薬を服用してもなかなか良くならない場合は扁桃炎の可能性があります。扁桃炎は初期症状が風邪に似ているため、悪化するまで気づかないことがほとんどです。38~40度近くの高熱を伴い、のどが痛み、赤く腫れて食べ物や飲み物、さらには唾液まで飲み込めなくほど辛くなる場合もあります。扁桃には白い斑点の膿が付着し、それが広がって全体が白く覆われます。その他の症状としては、高熱による頭痛や関節痛、悪寒。さらに首のリンパが腫れ、耳まで痛くなることもあります。
  • 慢性扁桃炎
    高熱や食べ物や唾液を飲み込むのが辛いほどのどが痛む扁桃炎は急性のもので、これを1年に4回以上繰り返すと慢性扁桃炎と呼ばれます。慢性扁桃炎は、高熱は出ませんが微熱や倦怠感を感じ、のどの痛みも異物感がある程度です。しかし慢性化すると薬で改善できなくなり、さらに繰り返す可能性が高くなるため。扁桃切除手術をすることも考えられます。

予防と治療法

扁桃に関する病気は、うがいと手洗いをすることで、病原菌の侵入を防ぐことができます。扁桃炎は細菌感染によるものなので、炎症を起こしている期間は数日間程度で抗生剤で回復が見込まれます。しかし、扁桃炎などの病気は、症状が風邪によく似ているため、自己判断で放置してしまう人が多く、その結果さらに重大な病気にかかってしまう可能性があります。発熱や扁桃が腫れるなどの症状が現れ、風邪薬を服用してもよくならない場合は、かかりつけ医に相談しましょう。

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