2017年1月10日
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰に蓄積された状態をいいます。
もともと肝臓では脂肪がつくられており、つくられた脂肪は肝細胞の中にためられ、エネルギーとして消費されています。しかし、消費するエネルギーよりもつくられた脂肪が多くなると、自然と脂肪は蓄積していきます。脂肪肝は、肝細胞の30%以上が脂肪化した状態をいいます。
その原因の多くは、アルコールの多量摂取と過食・偏食などです。脂肪がたまるというと、肥満型の体型を想像するかもしれませんが、運動不足と偏った食事により、痩せ型の人でも脂肪肝になる可能性はあります。また、栄養障害、糖尿病、高脂血症、一部の薬剤などが原因でなる場合もあります。
肝臓は沈黙の臓器といわれるほどで、脂肪肝になっても自覚症状はほとんどありません。しかし、確実に肝臓のはたらきは悪くなっています。血流も悪くなり、疲れやすかったり、肩がこりやすかったり、頭がボーっとするなどの症状があらわれることもあります。気になる場合は、一度医療機関を受診しましょう。
気づかずにそのままにしておくと、肝炎や肝硬変を引き起こし、肝不全や肝臓がんなど、命の危険に繋がる病気へ進行することもあります。
脂肪肝の多くは、規則正しい生活を送ることで予防できます。日頃から下記のような生活を心がけましょう。
● アルコールの多量摂取は控えましょう。
● 食生活に気を配りましょう。
● 定期的に適度な運動を行いましょう。
散歩やジョギング、水泳などの、全身の筋肉を使用する有酸素運動を行いましょう。このほか、エレベーターを使用せず階段を使うなど、日常生活で簡単にできることにも取り組んでみましょう。
● 休養と睡眠をしっかりとりましょう。
これらの生活習慣の改善は、脂肪肝になっている場合にも効果があります。しかし、すでに脂肪肝と診断されている場合や、メタボリックシンドロームや糖尿病、脂質異常など他の病気を併発している場合は、必ず医師の指示に従った食事・運動療法を行いましょう。また、気になることがあったらかかりつけ医に相談しましょう。