2018年10月9日
アキレス腱断裂は、踏み込みやダッシュ、ジャンプなどの動作を行うことで発生することがあります。アキレス腱は体の中でもっとも太い腱ですが、筋肉と比べて伸縮性の低い部位です。ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が急激に収縮したり、着地動作などで急に伸ばされたりすると、耐え切れず切れてしまう可能性があるのです。
30~50歳代のスポーツをしている人に発生することが多く、腱の退行性変性、いわゆる老化現象が起こり、徐々に腱の柔軟性が低下することが原因と考えられています。
スポーツ中に起こることが多く、断裂すると一時的に激しい痛みを生じます。人によっては、断裂の瞬間に破裂したような音を耳にするケースもあります。受傷時には足に体重をかけることができず、転倒したり、しゃがみこんだりすることがあります。断裂部分の皮膚の表面はへこんでいて、見ためでよくわかります。断裂していても、しばらくすると歩行可能となることは少なくありませんが、つま先立ちができなくなります。
下記のような場合は、アキレス腱断裂の疑いがあります。
手術を行わずにギプスや装具を用いて治療する保存療法と、断裂したアキレス腱を直接縫合する手術療法があります。保存療法はギプスや固定用具で患部を固定し、断裂したアキレス腱の修復を待つ方法です。手術療法は、断裂したアキレス腱の縫合を行います。回復には3~4カ月ほどかかります。回復後は、軽い運動は可能になりますが、全力でスポーツができるには短くても6ヵ月はかかると言われています。運動の前にはストレッチをしっかりと行い、怪我の予防に努めましょう。
アキレス腱断裂を放っておくと歩行困難を招きます。もし足首に腫れや痛みがある場合は、医療機関を受診しましょう。