2018年11月16日
痔は、20種類以上ある肛門の病気の総称です。大きく分けると「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔瘻(あな痔)」の3種類あり、肛門の三大痔疾患といわれています。
■痔の種類
痔核(いぼ痔) | 痔核(いぼ痔)は痔のなかでももっとも多い病気です。直腸側の肛門クッションや肛門側の肛門クッション部分がうっ血して膨らんだものを痔核といいます。この痔核が歯状線(しじょうせん)より内側にできたものを内痔核といい、外側にできたものを外痔核といいます。
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裂肛(きれ痔) | 裂肛は一般的には“きれ痔”と呼ばれ、排便の際、主に便秘により水分不足で硬くなった便によって肛門の出口付近が切れる病気です。肛門の後方に生じやすく、排便時や排便後もズキズキとした痛みを感じることがあります。そのため、排便を先延ばしにしてしまい、便が硬くなってさらに切れやすくなるという悪循環に陥ります。 便秘のほか、慢性の下痢で起こることがあります。肛門の皮膚が下痢便に触れることで炎症を起こし、少しの刺激で切れやすくなるためです。 |
痔瘻(あな痔) | 痔瘻は、歯状線のくぼみから細菌が入り込み、肛門腺が化膿し肛門周囲に広がって膿(肛門周囲膿瘍)がたまって発症します。膿が出ることで症状は治まりますが、膿の通り道ができたことで、化膿を繰り返します。肛門部に鈍い痛みや異物感があり、排便時以外にも痛みがあったり、発熱を伴うこともあります。早めに膿を出すことが重要で、又治療には手術が必要になる事が多いです。 |
性別や年齢に関係なく、長時間の同じ姿勢、ゴルフなどのスポーツ時のいきみ、刺激物やアルコールの過剰摂取による下痢、冷えなどで痔を引き起こします。特に女性は、生理前にホルモンの作用で腸の働きが鈍くなり、便秘になりやすいため、痔の発症が多く見られます。妊娠や出産がきっかけで起こることもあります。
痔の最大の原因は、肛門周囲へのうっ血や肛門への刺激です。痔を予防するには、肛門のうっ血や肛門への刺激を最小限に抑えることが重要です。すでに痔になっている方も日常生活での注意点を守ることで悪化を防ぐことができます。
■日常生活での予防法
痔だと思っていたら大腸がんや虚血性大腸炎など、ほかの病気であることも考えられるため、排便時の出血や肛門の痛みなどの症状が出たら、一度医療機関を受診してみましょう。