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今月の健康コラム

シミに見えても油断は禁物「日光角化症」

2021年7月6日

日光角化症は、長年にわたる紫外線の刺激によって発症する皮膚疾患です。発症すると、顔やうなじなどに、淡紅色や褐色の斑点が表れます。60歳以上の高齢者によく見られます。痛みやかゆみがないからといって放置すると、病気が進行し、悪性の腫瘍などを生じることがあります。早期に治療し、根治することが大切です。

日光角化症とは

 皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織によって成り立っています。日光角化症は、表皮にできる前癌病変で、長期にわたる紫外線のダメージが原因で起こるとされています。オゾン層が減少し、紫外線が届きやすくなったことで、増加していると言われています。

 痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、放置していると、悪性度の高い有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がんに移行することがあります。日光角化症の段階では転移しませんが、有棘細胞がんになると全身に転移することがあります。命にかかわることもあるため、早期に治療を受けましょう。

日光角化症の症状

 日光角化症になると、紫外線に当たりやすい顔やうなじ、手の甲などに、数mmから数cmの淡紅色や褐色の斑点が生じます。皮膚と斑点の境界ははっきりしておらず、表面はざらざらしています。場合によっては、かさぶたや出血を伴います。

 シミや湿疹と区別がつきにくいため、発症が疑われる場合は皮膚科医に相談しましょう。

日光角化症の治療法

 日光角化症では、病変部をメスで切除する外科的切除術や、液体窒素で凍結させて壊死させる凍結療法などがあります。また、「フルオロウラシル軟膏」や「イミキモドクリーム」と呼ばれる薬を外用する薬物療法も行われています。「イミキモドクリーム」は2011年11月に健康保険が適用され、1日1回、週3回自分で外用できる治療法です。このようないくつかの治療法の中から、病状や年齢などに適した治療が行われます。

 日光角化症を予防するためには、紫外線を浴びないようにすることが大切です。日焼け止めや帽子などを使い、対策するようにしましょう。

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