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今月の健康コラム

早急な処置で命を救う「AED」

2022年2月10日

AEDは心室細動を起こした心臓に対して電気ショックを与えて、正常なリズムに戻すための医療機器です。空港や駅、学校、公共施設など人が集まるところを中心に広く設置されており、誰でも使用することができます。近くに倒れた人がいた場合には、胸骨圧迫などの心肺蘇生法をベースに、AEDを活用し素早く救助にあたりましょう。

救命処置の流れ

 救命処置では血液の循環を促すため、絶え間ない胸骨圧迫が必須です。その上で必要があればAEDを使いながら、より確実な蘇生を目指しましょう。

【救命処置の流れ】

①肩をたたいたり声をかけたりして、反応があるかを確認します。

②反応がなければ119番通報と、AEDを用意します。

このとき協力者がいれば役割を分担しましょう。
もし一人で処置しなければならない場合には119番通報を優先し、近くにAEDがあれば取りに行きます。

③胸と腹部の動きを見て、正常な呼吸を行えているか確認します。

④正常な呼吸がない場合は顎をあげて気道確保を行い、ただちに胸骨圧迫を行います。

手の付け根に体重をかけて胸の真ん中を圧迫します。
1分間に100~120回のテンポで、胸が5cm沈む程度の強さが目安です。
圧迫を緩めている間は、胸が元の高さに戻るように十分に圧迫を解除することが大切です。
また、胸骨圧迫の中断は最小限にとどめましょう。

⑤AEDが届いたらすぐに準備を始めます。

AEDとは

 AEDは、Automated External Defibrillatorの頭文字を取った医療機器で、正式名称は自動体外式除細動器といいます。けいれんして血液のポンプ機能が失われた状態である「心室細動」を起こした心臓に対し、電気ショックを与えてけいれんを取り除き、正常なリズムに戻します。

 心室細動に陥った場合、AEDの使用が1分遅れるごとに、救命率が約10%低下します。通報から救急車が到着するまでの所要時間は平均8.7分(※)とされているため、救命のためには救急車の到着を待たず、近くにいる人がAEDを使用することが重要です。音声ガイドに従った簡単な操作で、誰でも使用することができます。総務省が発表する救急救助の現況によれば、一般市民がAEDを使い心肺蘇生を実施した傷病者数は1,311人(※)、1カ月後社会復帰者数は603人(46%)です。

 いざというとき、落ち着いて行動できるよう、日頃から知識を備えておきましょう。

※総務省 令和2年版救急救助の現況

AEDの使い方

AEDにはいくつか種類がありますが、おおよそ同様のステップで操作が可能です。

【AEDの操作手順】

①AEDのケースのフタを開けて、電源を入れる。(フタを開けると、自動で電源が入るものもあります)

②音声ガイドに従い、電極パッドを張り付ける。(パッドに書かれた絵柄に従いましょう)

③パッドを貼ると、AEDが心電図を解析し、電気ショックが必要かどうかを自動で判断します。

④電気ショックが必要というアナウンスが流れたら、周囲の安全を確認してボタンを押し、電気ショックを行います。

【AED操作時の注意点】

  • 電極パッドを貼る部位に湿布などが貼ってある場合は、必ずはがして使用しましょう。正常な効果が得られなかったり、やけどの原因になります。
  • ペースメーカーや除細動器を使用している人の場合は、それらの機器が埋め込まれている場所を避けて電極パッドを貼りましょう。
  • 体毛が非常に濃い場合はエラーメッセージが出たり、効果が得られない可能性があります。予備の電極パッドのテープ面を利用したり、AEDに備わっている剃刀などで胸毛を除去しましょう。
  • 金属製のアクセサリーを付けている場合はやけどの可能性があるため外しましょう。難しい場合はアクセサリーと電極パッドの位置をできるかぎり遠ざけましょう。
  • 体がぬれている場合効果が得られない可能性があるため、電極パッドを貼る部位を拭いて処置しましょう。
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