2023年1月11日
日常生活にはさまざまな光が存在しています。なかでも紫外線は細胞を傷つけやすく、その波長から角膜(眼球の最も外側に存在する透明な膜で、黒目と呼ばれる部分)に吸収されやすいという性質があります。短時間で紫外線を過剰に吸収することで、角膜の細胞に傷がついて生じる炎症を紫外線角膜障害といいます。そのうち、スキー場や雪原などで強い太陽光にさらされ生じるものを「雪眼炎」といい、電気溶接や殺菌灯などの人工的な紫外線によるものを「電気性眼炎」といいます。
主な症状は、角膜のただれによる異物感、充血、激しい痛み、涙が出る、まぶしさを感じるなどです。またこれらの症状によって、まぶたが開きにくくなることもあります。
紫外線を浴びた直後は無症状で、数時間程度経ってから発症することが多いため、就寝中に突然の痛みで目が覚めることもあります。
治療としては、感染予防のために抗生物質の点眼・軟膏をし、できれば眼帯をします。目の痛みに対しては鎮痛剤を内服する場合もあります。角膜が再生されることにより、通常1~2日程度で治ります。予防としては、スキー場や雪原を訪れたり、電気溶接などを行う場合には、紫外線から目を保護するためのサングラスやゴーグルを必ず装用しましょう。
症状が改善しない場合は、眼科専門医を受診しましょう。