2023年7月11日
ジャンパー膝は膝蓋腱炎(=膝蓋靭帯炎)とも呼ばれ、屈伸動作の繰り返しで膝に負荷がかかることによって起こる障害です。ジャンプやダッシュをする回数が多いスポーツを長時間行うと発症しやすいとされています。膝のお皿(膝蓋骨)あたりに生じる痛みが特徴で、スポーツを活発に行う10代に多くみられます。
膝を構成する組織のひとつとして膝蓋腱(=膝蓋靭帯)があり、これに損傷が起こって痛みが生じた状態をジャンパー膝といいます。膝蓋腱は、すねの骨と太ももの筋肉につながっています。ジャンプやダッシュといった膝の曲げ伸ばしの際に太ももの筋肉や膝蓋腱が大きく伸び縮みしますが、長時間運動して疲労が溜まると、筋肉の柔軟性が低下していきます。筋肉が固くなった状態で膝の曲げ伸ばしを行うことで、膝蓋腱が強く引っ張られて負荷がかかり、損傷につながります。
バレーボールやバスケットボールなどでのジャンプ動作や、サッカーや陸上競技でのダッシュ運動による発症が多いとされています。
ジャンパー膝は症状の度合いによって、4段階に分けられます。
軽 症 | 運動時に痛みを感じるが、運動する際に支障はない |
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中等症 | 運動時・運動後に痛みを感じるが、運動する際に支障はない |
重 症 | 常に痛みがあり、運動する際に支障がある |
最重症 | 膝蓋腱が切れて、日常生活に支障がある |
軽症や中等症の段階では、膝を休めて安静にし、アイシングで冷やすことで炎症がある程度治まる可能性があります。
アイシングは氷を用います。受傷直後は15-20分の冷却が必要ですが、ながながとやってしまうと低温やけどの恐れもあるので注意が必要です。これに加えて、痛み止めや湿布の併用も必要になることもあります。
しかし痛みが軽いからといって運動を継続し、症状を悪化させることも少なくありません。運動を続けながら重症化を防ぐためには、
運動後に5分程度のアイシングに加えて膝周辺の筋力を高めるリハビリが有効です。
すでに症状が悪化している場合や靭帯が切れている場合には、手術を行います。
予防のためには、日ごろから運動前のストレッチや運動後のアイシングを行うことが大切です。膝に違和感を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。