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今月の健康コラム

月経時の激しい痛みや過多月経に注意!「子宮内膜症」

2023年9月8日

子宮内膜症とは

 子宮内膜症とは、子宮内膜(に似た組織)が本来あるべき子宮の内側以外の子宮外表面、卵巣、子宮筋層内などにできる病気です。20~30代の女性に発症しやすく、月経時の激しい痛みや過多月経が特徴です。発症には月経の回数やホルモンが関係しているとされています。昨今は晩婚化や晩産化などで、女性が生涯のうちに経験する月経回数が増加しているため、発症が増えつつあります。下腹部に激しい痛みや過多月経を感じたら、医療機関を受診しましょう。

子宮内膜症の種類と症状

 子宮内膜は子宮の内側を覆う膜で、妊娠や妊娠後の胎児の発育に深く関わっています。子宮内膜は生理周期にあわせて分厚くなりますが、妊娠しなかった場合は、月経血として排出されます。

 子宮内膜症では、卵巣内にできると古い血液が溜まって「チョコレート嚢腫」、子宮筋肉層にできると「子宮腺筋症」とも表現されます。周辺組織と癒着をおこして激しい痛みが生じたり、子宮が増大して月経血が増加したりするのです。子宮内膜症は不妊原因にもなり、またチョコレート嚢胞は、まれに卵巣がんなどを引き起こす可能性があります。

 月経時、下腹部に激しい痛みを感じる事が多く、年齢とともに、痛みが強くなることが多いとされています。また重症化すると、子宮や膀胱などの他の臓器と癒着することで、性交痛や排尿痛などの月経時以外の痛みが現れることがあります。

子宮内膜症の治療法

 治療法には、大きく分けて薬物療法と手術療法の2種類があります。薬物療法には鎮痛剤で痛みを抑える対症療法のほか、ピルや黄体ホルモンなどのホルモン剤を使用したり、人工的に月経を止める方法などがあります。手術療法では、将来妊娠を望む場合は病巣だけを取り除く保存手術、症状がひどい場合・妊娠を望まない場合は子宮や卵巣を摘出する根治手術が行われます。治療法は、年齢や痛みの度合い、妊娠の希望などから総合的に判断します。

 子宮内膜症は再発率が非常に高い病気です。早期の診断と、悪化させない為の定期的な検査や対策が重要です。激しい月経痛や過多月経がある場合には、早期に診察を受けることも大切なのです。

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