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今月の健康コラム

頭をぶつけた後は要注意!「慢性硬膜下血腫」

2023年10月10日

頭部への何らかのダメージによって、脳を包む硬膜と脳の表面の間にゆっくりと血液が溜まる病気を、慢性硬膜下血腫といいます。高齢者のなかでも男性が発症しやすいとされています。ぼんやりとして元気がない、もの忘れが増えるなど、認知症に似た症状が現れるのが特徴です。

慢性硬膜下血腫とは

 脳は頭蓋骨の内側で、硬膜という膜に包まれています。慢性硬膜下血腫とは、頭を打ったりぶつけたりすることが原因で、硬膜と脳の表面の間にゆっくりと血液が溜まり、血腫という血のかたまりができる病気です。血腫が小さいうちは症状が出にくいため、原因となる外傷から数週間~数ヶ月経過し、血腫が大きくなってから発見されることがほとんどです。

 高齢者に発症しやすいとされており、なかには尻もちをつく程度の軽いダメージでも発症する場合があります。これにより、本人が発症原因を自覚していないことも多いです。

慢性硬膜下血腫の症状

 まず、ぼんやりとして元気がないなどの症状がみられます。その後、進行とともに歩行時のふらつき、しびれ、頭痛、しゃべりづらさ、もの忘れなどの症状が現れ、重症化すると意識障害を起こすことがあります。

 症状が似ていることから、認知症と誤って認識されていることが少なくありません。

慢性硬膜下血腫の治療法

 頭部CTやMRI検査で診断し、発症していた場合は手術を行います。頭蓋骨に1cmほどの小さな穴を開けて、細い管を挿入し、血腫を除去する穿頭ドレナージ術という方法です。

 術後は約1週間で退院できることが多いです。ただし、脳の萎縮が強い高齢者や血液をさらさらにする薬を服用している場合は、再発の可能性が高いとされているため、注意しましょう。

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