2023年11月6日
肝臓と膵臓の間にある「胆のう」に炎症が起こる病気を、胆のう炎といいます。40歳以上の女性に多くみられ、右上腹部やみぞおちあたりに現れる痛みが特徴です。発症が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
胆のうは、肝臓と膵臓の間にある臓器で、肝臓で作られた胆汁を貯める役割を持っています。本来胆汁は胆のうで濃縮された後、胆管という管を通って、十二指腸へと運ばれますが、生活習慣や胆のうの機能異常などにより、結晶化し胆石となることがあります。
胆のう炎は、胆石が胆汁の流れをせき止めることにより、胆汁の成分が胆のうの粘膜を傷つけ、炎症が起こった状態です。
ただし、胆石の発生のみが原因で発症することは少なく、傷ついた箇所が細菌に感染したり、膵液が逆流したりすることで発症するとされています。
このように胆石に関連して発症することが多いとされていますが、胆のうの奇形やねじれなどが原因になることもあります。
胆のうが位置する上腹部に不快感や鈍痛があらわれ、炎症が進むにつれて痛みが激しくなります。そのほか発熱、吐き気、嘔吐などの症状がみられます。
また炎症が続くと、慢性胆のう炎を引き起こす可能性があります。
食事を止め、点滴や薬の内服で炎症を抑制した後、なるべく早い段階で胆のうを取り除く手術を行います。腹部に小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術が一般的ですが、場合によっては開腹手術を行うこともあります。
そのほか、胆のうに細いチューブを通し、胆汁を体外に排出することで炎症を抑える、胆のうドレナージという治療法があります。胆石がない場合は、胆のうドレナージで症状の改善がみられることが多いです。
胆石の発生を防ぐことが、予防につながります。脂肪分を抑えたバランスの良い食事を心がけましょう。