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今月の健康コラム

まぶたが落ちてくる病気「眼瞼下垂」

2024年1月10日

まぶたを動かす筋肉や神経の異常によって、まぶたが下がってくる状態を眼瞼下垂といいます。瞳孔が覆われて視野が狭くなるほか、眼精疲労や頭痛、肩こりなどの症状がみられます。発症の要因は、先天性と後天性に分けられます。

眼瞼下垂とは

 眼瞼下垂は何らかの原因によって上眼瞼(上まぶた)が下がってくる状態のことです。眼瞼下垂により上方の視野が狭く感じられて見づらくなり、ときには肩こり・頭痛・眼精疲労などの不都合が生じます。上眼瞼の挙上には上眼瞼挙筋(動眼神経支配)とミュラー筋(交感神経支配)の収縮が携わっており、これらどちらかの筋肉やそれを支配する神経の機能が落ちることで起こります。原因は大きく先天性と後天性にわけられます。

  • 先天性眼瞼下垂
    出生直後からみられる眼瞼下垂で、多くは上眼瞼挙筋の働きがうまれながら不良なことによるもので、片側性が多くの割合を占めます。眼瞼下垂の程度が強い場合、時に視力の発達に影響することもあります。
  • 後天性眼瞼下垂
    後天性で最も多いのは、加齢によるもので、上眼瞼挙筋の腱の伸展によって起こります。また、ハードコンタクトレンズの長期装用により発症することも少なくありません。 後天性ではこの他にも外傷や神経麻痺によるもの(脳動脈瘤や糖尿病などによる動眼神経麻痺や肺癌などに伴う交感神経麻痺(ホルネル症候群))、神経と筋肉の接合部の異常である重症筋無力症などがあり、これらは他の眼の症状や全身症状を伴うことも多くあります。

眼瞼下垂の症状

 まぶたが下がって、視界が狭くなることでものが見えにくくなります。見えにくさをカバーしようとして顎が上がり、眼精疲労や頭痛、肩こりにつながることもあります。

 まぶたの下がり具合によって、「軽度」「中等度」「重度」に分けられます。

軽 度  意識的に眼を開けたら、瞳孔が隠れない
中等度  意識的に眼を開けても、瞳孔が一部隠れる
重 度  頑張って眼を開けても、瞳孔が半分以上隠れる

眼瞼下垂の治療法

 重症筋無力症による眼瞼下垂では内服治療が基本となり、その他の眼瞼下垂の治療は手術となります。原因や程度により手術手法が異なり、その効果にも限界があります。眼瞼下垂が疑われたら医療機関を受診しましょう。

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