会員ページ
文字サイズの変更

今月の健康コラム

生活習慣病・アレルギーの改善を「いびき」

2024年10月10日

いびきは、睡眠時に狭くなった気道を、空気が通る際に生じる呼吸音です。症状が現れる原因はさまざまで、加齢による筋肉の衰えや、肥満による首回りの脂肪の増加、扁桃の肥大や鼻副鼻腔炎による鼻づまりなどがあります。慢性的な睡眠不足を引き起こす可能性があるのに加え、いびきをかく背景には高血圧や脳卒中といった病気のリスクが隠れていることもあるため、注意が必要です。

いびきとは

 仰向けに横たわると、重力で舌やのどの奥の部位が下方向に沈みます。睡眠中これらの筋肉がゆるんで、気道が狭くなることによって生じる呼吸音を、いびきといいます。このほか、肥満でのどや首回りに脂肪がつく、加齢による筋肉の衰えなど、気道を狭める原因はさまざまです。日本人は下あごが小さいために舌が沈みやすい傾向があり、前述の状態に当てはまらなくてもいびきをかくこともあります。

 また普段いびきをかかないという人でも、アルコールを摂取したり睡眠薬を服用したりすると、筋肉がゆるんで一時的にいびきをかくことがあります。

 女性は男性よりもいびきをかきにくい傾向があり、これには女性ホルモンが影響しています。ただし閉経後は女性ホルモンの減少にともなって、いびきがみられるようになることもあります。

いびきに伴う症状

 いびきは睡眠の質の低下を招き、日中の眠気や集中力の低下などを引き起こします。鼻が曲がっている、のどの奥の部位(扁桃など)が生まれつき大きいなど、治療を必要とする病気が隠れていることが多いため、放置せずに医療機関を受診する必要があります。

 またいびきをかく人の多くは、口呼吸をしています。それに伴い免疫力の低下、歯周病や口臭の悪化などの身体への影響がみられる可能性があります。

いびきの治療法

 軽度のいびきの場合は、原因に合わせた日常生活の工夫で、いびきを防ぐことができます。

  • 減量
    肥満の場合は、バランスのよい食事や運動を心がけ、減量につとめましょう。適正体重の維持が目標です。
  • 寝る姿勢や環境の見直し・鼻副鼻腔炎の治療
    横向きで寝ると、気道の閉塞の度合いを軽減できます。枕の高さや固さも気道を狭める原因となるため、自身にあった枕を選ぶのがおすすめです。またのどや鼻にアレルギー・鼻副鼻腔炎(蓄膿症)などの炎症が起こると気道が狭くなるため、アレルギー性鼻炎・鼻副鼻腔炎の治療や寝室の温度や湿度を適正に保つようにこころがけましょう。
  • 飲酒を控える
    アルコールはのど周りの筋肉をゆるめるのに加え、舌がむくむ原因になります。寝る前の飲酒は控えましょう。

 重度のいびきは睡眠時無呼吸症候群であることが多く、改善するためには、医師による正しい診断と治療が必要です。いびきの原因になる鼻やのどの構造に対する手術や、いびきの悪化により無呼吸状態がみられている場合には鼻から空気を送り込む治療法を行います。

 いびきは睡眠時に出る症状のため、本人は気づかないことがほとんどです。悪化を防ぐためにも、パートナーが気づいた場合はきちんと指摘することが大切です。

  • インデックス
  • 前のページ
  • 次のページ
わたしの町のお医者さん
今月の健康コラム
バックナンバーはこちら
千葉市医師会 多言語診療ツール
千葉市医師会シアトル計画
千葉市救急受診ガイド
  • リンク集
  • サイトマップ
  • サイトポリシー
ページトップ
© Chiba City Medical Association