2024年11月11日
ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」です。病気や加齢にともなって、立ったり歩いたりすることが難しくなり、進行すれば要介護や寝たきりの状態になる可能性があります。まずは自身がロコモに当てはまるかをチェックしてみましょう。
2023年、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は29.1%に達し、過去最高の数値となっています。また2023年の平均寿命が3年ぶりに前年を上回ったこともあり、高齢者の健康を維持し、自立した生活を維持することが社会にとっても重要です。
ロコモは、これ自体病気ではありませんが、骨、筋肉、関節などの体の動きに関わる組織の機能が低下した状態をいいます。移動や体のバランスの維持が難しくなり、さらなるケガや骨折を引き起こしたり、要介護になるリスクがあります。
原因は2種類あります。
■加齢や生活習慣
骨量は20~30代をピークに、筋肉量は10代をピークに減少することがわかっています。生活習慣の乱れは、骨や筋肉の減少とともに身体機能などの活動性の低下を加速させます。肥満や痩せすぎも、筋肉や骨への負荷が大きくなるため注意が必要です。
■運動器疾患の発症
骨粗しょう症や変形性関節症などの疾患は、放置するほど移動機能の低下を招きます。特に関節を構成する軟骨などの組織は一度すり減ると回復しないため、不調を感じたら早めに医療機関(整形外科や内科)を受診することが重要です。
ロコモは運動習慣や食習慣の改善で、回復させたり進行を遅らせたりすることができます。下記のチェックリストのなかで一つでも当てはまる項目があれば、ロコモの可能性が高いため、今日から対策をはじめましょう。
片脚立ちで靴下がはけない
家の中でつまずいたりすべったりする
階段を上がるのに手すりが必要である
横断歩道を青信号で渡りきれない
15分くらい続けて歩けない
2kg程度(1リットルの牛乳パック2本程度)の買い物をして持ち帰るのが困難である
家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
ロコモの可能性が高い場合、医療機関で適切な指導を受けるのに加え、2種類のトレーニングでさらなる進行を防ぎましょう。
■片脚立ち
1.机や壁などの支えがある場所で、転倒しないようにしながら、床につかない程度に片脚を上げます。
2.1分間キープしたら、もう片方の脚でも行います。1日3回を目安に行いましょう。
※姿勢をまっすぐにするのがポイントです。
■スクワット
1.肩幅より少し広めに足を広げ、つま先が30度程度開くように立ちます。
2.膝をつま先より先に出さず、膝が人差し指の方向を向くように注意しながらお尻を引くように体を沈めます。
3.深呼吸をするペースで5~6回繰り返します。1日3回を目安に行いましょう。
※膝を90度以上曲げないようにしましょう。
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