2024年12月9日
集中力の向上や眠気覚ましの効能があるとされるカフェインですが、過剰に摂取すると健康に悪影響を及ぼす場合があります。また習慣的に摂取していると、睡眠の質を低下させることも分かっています。コーヒーやエナジードリンクのほか、ココア、チョコレートなどの意外な飲食物にも含まれているため、意図しないカフェイン摂取に注意しましょう。
カフェインはコーヒー豆や茶葉などに多く含まれる食品成分で、医薬品や清涼飲料水などに添加されていることもあります。神経を鎮静させるアデノシンという物質の働きを阻害して、神経を興奮させる物質のため、過剰に摂取するとめまいなどの症状が現れることもあります。近年ではカフェインが多く添加されていることから、エナジードリンクの過剰摂取も問題視されています。
めまい、心拍数の増加、不安感などの症状のほか、下痢や吐き気などの消化器症状が現れることもあります。
睡眠に及ぼす影響が大きいことも知られています。寝付くまでの時間が長くなったり、夜中に目覚めたりして、睡眠の質が低下します。
日本では、カフェインに対する感受性は個人差が大きいことから、1日に摂取する許容量は定められていません。米国食品医薬局では、健康な大人で1日当たり400mgまでは健康への危険な悪影響がないとしていますが、個人の体調を踏まえて判断するようにしましょう。妊婦や子どもの場合は、代謝に時間がかかるため、より少ない摂取量である必要があります。
下記はカフェインが多く含まれている飲食物です。カフェインの効果は半減するまでに8時間程度かかるため、睡眠に影響を与えないためにも夕方以降の摂取を避けるとよいでしょう。場合によってはカフェインを含まないもしくは、ごくわずかに含まれているデカフェイン製品を利用することもおすすめです。
エナジードリンクなどの カフェインを多く添加した清涼飲料水 |
32 ~300mg/100mL | 製品によって、カフェイン濃度、内容量が異なる。 |
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インスタントコーヒー (顆粒製品) |
1杯当たり80mg | 2g使用した場合 |
コーヒー(浸出液) | 60mg/100mL | 浸出法:コーヒー粉末10g、熱湯150mL |
紅茶(浸出液) | 30mg/100mL | 浸出法:茶5g、熱湯360mL、1.5~4分 |
せん茶(浸出液) | 20mg/100mL | 浸出法:茶10g、90℃430mL、1分 |
ほうじ茶(浸出液) | 20mg/100mL | 浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分 |
ウーロン茶(浸出液) | 20mg/100mL | 浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分 |
玄米茶(浸出液) | 10mg/100mL | 浸出法:茶15g、90℃650mL、0.5分 |
組み合わせにも注意が必要です。特にアルコールとカフェインを一緒に摂取すると、アルコールの過剰摂取を招く恐れがあります。カフェインを含む医薬品は、過剰摂取を防ぐためにカフェインを含まない飲料で服用するようにしましょう。
カフェインを継続的に摂取している場合、急に摂取を中断すると、半日から1日ほどで頭痛、眠気、だるさなどの離脱症状が生じることがあります。カフェインに依存していると思われる場合は、数日かけて徐々に摂取量を調整しましょう。それでも激しい症状がみられる場合や、摂取量を控えられない場合は、医療機関を受診することが大切です。