2022年4月12日
重い物を持ち上げた際やくしゃみをした際など、ふとしたきっかけで現れる突然の強い腰の痛み「ぎっくり腰」。痛みは1カ月以内に収まることがほとんどですが再発率が高いため、予防のために日頃から筋トレなどで腰回りの筋肉を鍛えておくことが大切です。症状に改善がみられない場合には重大な疾患の可能性もあるため、医療機関を受診するようにしましょう。
腰痛は日本で最も身近な症状の一つです。2019年の国民生活基礎調査によると、全国で3,000万人近くが腰痛に悩んでいることが分かっています。
なかでも発症してから4週間以内のものを急性腰痛症といい、物を持ち上げたり腰をひねったりしたときに突然生じる腰の痛み、通称「ぎっくり腰」もこれに含まれています。
腰の関節や靭帯などになんらかの損傷が生じていることが原因と考えられていますが、はっきりとは明らかになっていません。
ぎっくり腰は魔女の一撃といわれるほどの急激な痛みが特徴です。症状が重い場合には動くこともままならなくなることがありますが、数日経つと次第に改善が見え始め、1カ月以内には治ることがほとんどです。
しかしながら放置していれば治ると考えるのは危険です。最初はぎっくり腰だと思っても、1カ月以上経って改善がみられなかったり、下肢にしびれや痛みがある場合には、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性があります。放置せずにかかりつけ医に相談するようにしましょう。
治療の基本は内服薬や湿布薬などを用いた薬物療法です。かかりつけ医と相談し、適切な治療で痛みを和らげましょう。また回復を早めるためには、安静にしすぎずに可能な範囲で体を動かすことが大切です。
ぎっくり腰を発症した患者のうち、4分の1が1年以内に再発するといわれています。ストレッチを行ったり筋肉を増やしたりして、意識的に再発防止に努めましょう。